私たちは日々、無数の選択をしながら生きています。朝、何時におきるのか、ご飯に何をたべるのか、何を着るか、通勤ルートはどれにするか。このような小さな選択もあれば、転職をするかしないか、家を買うかどうかといった人生の大きな決断もあります。
このときに求められるのが「判断力」です。判断力とは、さまざまな状況の中から、自分にとってより良い選択肢を選び取る力のことを指します。限られた情報の中でも、状況を正しく理解し、自分の経験や目的をもとに「こうしよう」と決められる力です。
判断力があると、行動が早くなり、無駄な迷いが減ります。また、良い結果を引き寄せやすくなるだけでなく、たとえ失敗しても、その結果を活かして次の判断に役立てることができます。逆に判断力が弱いと、いつまでも迷い続けたり、決められずにチャンスを逃したり、適当な判断をくだしてしまったりと、周りに流されやすくなります。
判断力があると、日常生活からビジネスシーン、人間関係に至るまでさまざまな場面でメリットがあります。具体的に挙げてみましょう。
1. 迷わず行動できる
判断力があれば、迷う時間が減り、すぐ行動に移すことができます。時間を無駄にすることなく、チャンスを逃しません。
2. 自信が持てる
状況を正しく判断し自分で決める力が身につくと、自分の選択に責任や自信を持てるようになります。
3. トラブルに強くなる
突然のトラブルでも、冷静に状況を整理し、最適な方法を選べるため、問題解決能力が高まります。
4. 他人から信頼される
「この人なら大事な場面でもしっかり判断してくれる」と思われると、自然と周囲から頼られる存在になります。
判断力への理解を深めるために、判断力を発揮したエピソードを見ていきましょう。
Aさんはある小さな街でカフェを営んでいます。Aさんは地域の人に愛されるお店を目指して、日々忙しく働いていました。そんなある日、天気予報から、「明日は大雪になる」というニュースが流れてきました。例年ならばそんなに雪が降らない地域ですが、今回は珍しく注意報まで発令される予報でした。
Aさんは「明日はお店を営業するべきか、それとも臨時休業にするべきか」と悩んでいました。普段より来客は少ないかもしれませんが、遠方からわざわざ来てくれるお客さんもいるかもしれないと考えると、営業したほうがいいのではという思いがありました。しかし、スタッフの通勤の危険や、帰れなくなる可能性もゼロではありません。
Aさんは、夜遅くまで天気の情報を集め、スタッフと意見交換をした結果、次のように判断しました。
「明日は臨時休業。お客様にはSNSとホームページで朝6時に告知する。もし天候が良くなった場合でも、安全を最優先にする」
そして翌朝、天気予報どおりの大雪。電車は止まり、道路も真っ白。もし営業していれば、スタッフもお客さんも危険な目に遭っていたかもしれません。
さらに、臨時休業の告知をSNSに出した際、山田さんはお客さんに向けてこうメッセージを添えました。
「安全を第一に考え、本日はお休みします。雪がやんだら、また皆さんに温かいコーヒーをご用意してお待ちしています」
この投稿が地域のコミュニティ内で話題となり、「きちんと判断できる安心なお店」として評判がさらに高まりました。結果的に、その月の売上も前年同月を上回ることになったのです。
では、どうすれば判断力を高めることができるのでしょうか。特別な才能が必要なわけではありません。以下の習慣を心がけることで、誰でも判断力を磨くことができます。
1. 普段から「なぜそうするのか」を考えるクセをつける
買い物をする、予定を決める、人と会うなど、決断をするたびに「なぜこれを選ぶのか?」と理由を考える習慣を持つと、判断する力が自然と鍛えられます。
2. 情報を集める
判断の材料となる情報は多いに越したことはありません。ニュースや身近な出来事、人の意見など、自分なりに整理するクセをつけましょう。
3. 小さな判断を積み重ねる
いきなり大きな決断をしようとせず、日常の小さな判断(ランチの選び方、服のコーディネート、電車の乗り方など)から、意識的に素早く決めるようにしてみましょう。
4. 失敗を恐れない
判断には必ずリスクが伴います。失敗しても、そこから何を学んだかを考えることで、次の判断がより良くなります。
判断することを恐れて、「判断をしない」ということがあるかもしれませんが、「判断をしない」ということも大きなリスクとなることをご存じでしょうか?迷い続けたり、誰かの決断を待っているうちに、大きなチャンスを逃してしまったり、事態が悪化してしまったりするケースもあります。
Aさんのカフェの例も、もし臨時休業にするかどうかを決めずに朝を迎えていたらどうなっていたでしょうか?スタッフは混乱し、雪の中をやってきたお客さんが、危険な目にあっていたかもしれません。判断は行動のスタートラインです。だからこそ、自分の頭で考え、決める力が求められるのです。
判断力とは、情報を整理し、自分の目的に照らし合わせて、適切な選択をする力です。日常の小さな選択から、人生を左右する大きな決断まで、判断力があれば自信をもって決断し、行動することができるようになります。
今回のカフェ店長Aさんの事例のように、判断力を発揮することで、トラブルを未然に防ぎ、自身の評価を高めることもできるのです。
判断力は経験と習慣で誰にでも習得できる力なのです。
株式会社フォースコミュニティでは、判断力を身につけるための、判断力研修を提供しています。研修ではさまざまなワークを通して学ぶことができます。ご興味がある方は、「判断力研修」をぜひ受講ください。
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