これまで経験をしたことがないような事態に遭遇したとき、どう対処したら良いかがわからなくなってしまうという人は多いものです。しかし一方で、どんな事態でも冷静に対処し、適切な判断をすることができる人もいます。それでは両者はどのような点が異なるのでしょうか。その答えは、判断力が鍛えられているか否かであると言えます。判断力は経験によって身についていくものでもありますが、経験が少なくても、きちんと教育を受けることで向上させることができます。この研修では、そんな判断力を向上させるための方法を学んでいただきます。
判断力が身につくとどんな効果があるかを認識した上で、判断力を鍛えるための手順について学んでいただきます。また判断に迷ったときのポイントや、判断力を向上させるために日常で取り組むべきこと等について理解すると共に、日常でどのような判断をするかを考えるワークに取り組むことで、研修の中で判断力を鍛えていただきます。
Ⅰ.判断力の重要性
判断力を向上させることは、自分自身にとっても所属する組織にとっても、非常に重要なことです。極端に言えば、社員全員が自ら判断ができないというような会社であれば、直面する困難を乗り越えることができず、組織としては存続が難しくなると言えます。ここでは一人一人が判断力を向上させることの重要性を理解し、本テーマに取り組むことの必要性を実感していただきます。
Ⅱ.判断の手順
経験したことのないような事態に遭遇したときでも、落ち着いて適切な判断をする必要があります。ここではそうした場合の手順についてお伝えします。判断することが苦手な人の多くは、この手順を実行できていない人達です。ここでは身近な事例を元に、手順についてしっかりと頭に叩き込んでいただきます。本研修の中で最も重要な項目です。
Ⅲ.判断に迷ったとき
どんなに判断力が向上しても、判断に迷うというケースは必ずあります。そんなときにどのように判断をすべきかを学んでいただきます。判断の軸を明確にしたり、過去のケースから考えたり、他の人の類似のケースでの判断を参考にしたりするといった方法があります。またここでは、判断の軸をどこに置くかで下す判断が変わってくるということを、ワークに取り組むことで体感していただきます。
Ⅳ.判断を振り返る
どんなに判断力を鍛えたとしても、ときに判断を誤るということはあるものです。そんなときは、なぜ判断を誤ったのか、振り返ることが重要です。改めて考えてみたときに、自身の考えが足りずに判断を誤ったという場合もあれば、その状況においては適切な判断をしたものの、想定外の事態が起きて結果的に判断を誤ってしまったという場合もあります。そしてここで振り返った内容を元に、次に同様の事態になったら、どのように判断をするかを考えることで、判断力は次第に向上していきます。
Ⅴ.判断力を向上させるための日々の取り組み
判断力を向上させることは、一朝一夕ではできません。日々の努力が必要不可欠です。特に最初のうちは、一つのことを判断するにも非常に時間がかかるものです。そこで慣れるまでは、紙に書き出してしっかりと考えることが重要です。その上で、自身がどうしてそのような判断をしたかを、他の人にも伝えられるようにする必要があるのです。また他の人が何かしらの判断をしている場面を見ながら、その人がどのように判断したかを推測することも、判断力を鍛える上で効果的です。ここではそうした日常での取り組み方についてお伝えします。
Ⅵ.判断力向上徹底演習
研修で学んだ内容を定着化させるために、自身が日常で判断に迷う場面を思い出し、学んだ手順に則って判断をしていただきます。自身が体験したことのある場面設定で考えることで、日常のどういった場面で学んだ内容を活かせるか、具体的なイメージを沸かせることができるようになります。
Ⅶ.日常で実践すること
研修で学んだことを現場で活用するために、そして判断力をさらに向上させていくために、日常でどのようなことをするかを考えていただきます。判断力を向上させるためには継続的な取り組みが必要です。しっかりと実行されるよう、ここでしっかりと考え、宣言をしていただきます。
Ⅰ.判断力の重要性
1.物事を判断できないと組織・人はどうなるか
2.「どうすればいいですか?」ではなく「○○してもいいですか?」と聞く
-社員全員が自分で判断できないと組織はどうなってしまうか?-[ディスカッション]
3.判断力が鍛えられることの効果
Ⅱ.判断の手順
STEP1:選択肢をできるだけ洗い出す
STEP2:それぞれの選択肢を選んだ結果何が起こるかを想定する
STEP3:どの選択肢をとるべきかを比較し決定する
-重要な会議で使う資料に誤りがあったときにどう対応するか-[グループワーク]
Ⅲ.判断に迷ったとき
1.選択肢のメリット・デメリットを洗い出し比較する
2.判断の軸(優先項目)を明確にする
・質 ・量 ・スピード ・安全性 ・健康
3.過去の経験から考える
4.他の人の類似ケースでの判断を参考にする
-判断軸をどこに置くかで判断が変わることを体感する-[グループワーク]
Ⅳ.判断を振り返る
1.なぜその判断を誤ったかを改めて考える
・考えが足りなかったケース
・想定外の事態が起きたケース
2.次回はどう判断するかを考える
-判断を間違えた場面を振り返って、次はどうするかを考える-[グループワーク]
Ⅴ.判断力を向上させるための日々の取り組み
1.慣れるまでは時間をかけて紙に書き出す
2.判断を行った過程を説明できるようにする
3.他の人の判断の過程を推測する
Ⅵ.判断力向上徹底演習
-日常で判断に迷うケースを思い浮かべて、改めて判断する-[個人ワーク/グループ共有]
Ⅶ.日常で実践すること
-どのように判断力を鍛えていくかを考える-[個人ワーク/発表]
・個人、グループでのケーススタディを中心に研修がすすめられていたため、内容も理解しやすく、自分の立場や実際の業務などに置き換えて学ぶことができました。今後、業務の中で判断に迷うことがある場合は、今回の研修で学んだことを活かして、適切な判断ができるようにしたいです。
・判断力を養うことで自身の成長に繋がるということを学びました。問題についての選択肢を出し、考え、対応していく必要があると再認識することができた。今回の研修で学んだことを実務でも活用していきたいです。
・判断力を養うことで、業務をより効率的に円滑に進めることができると感じていましたが、今回の研修を受けて、日ごろ自分がきちんと判断できているという確信が持てました。
・「判断力」についてこれまで深く考えたことがありませんでしたが、自分自身のためにも組織のためにも身につけたほうがいい能力だと思いました。今回の研修を通して学んだ考え方を実践し、今後の業務に活かしていきたいと思います。
・日常の業務などで上司に判断をあおぐ際のポイントが理解できた。判断の際、自分の中での軸を改めて決める必要があると感じた。
・ふだんの業務で判断に迷う場面が多いので、今回の研修で学んだ軸を持った判断ということを大切にしたい。また、自分軸で考えていたなと反省する部分もあったため、メリットとデメリットの分析をしっかり行っていきたい。
・仕事の中で判断する機会や迷う機会が多くある中で、判断の選択肢を多く持つことやその選択肢を選ぶことでどのようなメリット・デメリットがあるのかを考える癖をつけようと思いました。
・日々の業務で判断を迷うこと、判断を丸投げしている状況があったので、今回学んだ判断の手順に沿って、一度自分の中で考えてから適切に対応していきたいです。
・多様な視点から考えることの重要性を改めて理解しました。
・改めてこれまでの自身の行動を振り返る機会となりました。特に判断の軸をしっかりもっておくこと、引き出しを多く持っておくことが重要であり、場面に応じた適切な判断ができるよう準備したいと思います。
・自分の仕事の仕方を振り返る良い機会だった。様々なケーススタディでは他の人の考えを聞くことができ、自分にはない視点も多く、とても勉強になった。
・今後、判断手順に沿って選択肢を多く持ち、自ら判断し上司に報告しようと思いました。また、常に自ら決断するイメージを持とうと思いました。
・いつまでも先輩や上司の判断に頼りきりではなく、今のうちから判断の練習を積み重ねていくことが大事だと感じました。これから実践していきたいです。
・日ごろの業務で上司への指示提案を自身の判断、情報を用いて行っていきたいと思いました。気をつけるべきことを改めて研修という形で聞くことができ、よい機会となりました。
・アウトプットも多くとても頭を使う研修で、他の方の意見も大変参考になりました。
・判断力について課題と考えていたため、判断力を養う3つの手順や、事例、グループワークがとても勉強になりました。これからは判断の手順と軸を意識していきたいと思います。
・悩んだときにまず相談、ではなく、自分の中でいくつかの選択肢とそれを選んだ理由(軸)などを持って報連相していきたいと思いました。上司への話の持っていき方、情報整理なども大切であることがよく分かりました。
・選択肢がいかに重要なものか、選択肢の見つけ方などを学ぶことができた。また、より多くの選択肢を持つことで、最適が判断をできることを知り、自分の中での選択肢をより多く持ちたいと思った。
・グループワークが多く、様々な意見を聞いて新たな気づきがありました。上司に相談する際、自分の考えも伝えるようにしたいと感じました。
下記いずれの形態でも実施可能です。
1.対面形式の研修
2.オンライン研修(Zoom)
企業様に合わせてカスタマイズして実施することも可能です。お気軽にお問合せください。