ロジックツリーとは

ロジックツリーとは?

ロジックツリーは、問題を階層的に分解して整理するためのロジカルシンキングのフレームワークの1つで、木のような構造をしています。ツリーの「枝」の部分に問題や情報を大きなカテゴリーから分け、さらにその「枝」に細かいカテゴリーを足していきます。複雑な問題を分解して俯瞰することで、解決方法を論理的に考えることができます。

 

ロジックツリーの基本的な構造は、「根本的な問題」をトップに置き、それに続いて原因や要素、さらに細かい詳細に分解していくというものです。問題を階層的に整理することで、解決策に至る道筋が明確になります。

 

ロジックツリーの基本構造

ロジックツリーは、主に以下の3つの要素から成り立っています。

 

①トップレベル(最上部):解決すべき「問題」や「課題」を置く。

②中間レベル:問題を引き起こしている「原因」や「要素」を分類する。

③詳細レベル:それぞれの「原因」や「要素」をさらに細分化する。

 

例えば、生活における「家が狭い」という問題をロジックツリーで整理する場合、最上部には「家が狭い」という課題が置かれ、その原因として「物が多すぎる」「間取りが使いにくい」「世帯人数が多い」「家自体が物理的に小さい」などが中間レベルに示されます。「物が多すぎる」という要因をさらに掘り下げると、「物が捨てられない」「収納スペースが少ない」「衝動買いをしてしまう」など、詳細な原因が浮き彫りになり、具体的なアクションプランや解決策を考えることができます。

ロジックツリーの作成方法

ロジックツリーを作成する際には、いくつかのステップを踏むことが重要です。そのステップを順に見ていきましょう。

ステップ1: 問題を明確にする

ロジックツリーを作成する前に、まず解決すべき問題を明確に定義することが大切です。この「問題定義」が曖昧であると、ロジックツリーの作成が無駄に終わったり、分析が偏ってしまったりします。具体的には、「売上が伸びない」という問題であれば、「売上が伸びない原因は何か?」と自問し、問題を特定します。

 

ステップ2: 中間レベルの要因を挙げる

問題の原因を探るために、中間レベルで考えられる要因を洗い出します。この段階では、可能な限り多くの要因を挙げ、問題の根本原因を特定するための材料を集めます。例えば、「売上が伸びない」という問題の中間レベルには、「顧客の購買意欲の低下」「競合の強化」「市場の変化」などが考えられるかもしれません。

 

ステップ3: 詳細レベルに分解する

中間レベルで挙げた要因をさらに詳細に分解し、それぞれの原因に対して具体的な情報を集めます。この段階では、原因をより具体的に掘り下げ、問題を解決するためのデータやアイディアを集めることが重要です。

例えば、「顧客の購買意欲の低下」という要因が中間レベルにあった場合、その詳細レベルとしては、「価格の上昇」「品質の低下」「新たな競合の登場」などが挙げられるでしょう。

 

ステップ4: 重要な要因を特定する

ロジックツリーを作成した後は、どの要因が最も重要であるかを特定します。これにより、解決するべき要素の優先順位をつけ、問題解決に向けた具体的なアクションを決めることができます。

ロジックツリーのメリット

 ロジックツリーを使うことの4つの大きなメリットをご紹介します。

 

1. 複雑な問題を見える化できる

ロジックツリーを使用すると、複雑な問題を視覚的に整理することができます。これにより、どの要因が問題の原因になっているのか、どこから手をつけるべきかが一目で分かります。

 

2. 論理的に考えることができる

ロジックツリーは、問題を階層的に分解するため、物事を順序立てて考えることができるようになります。これにより、感情的な判断を避け、冷静に問題を分析できます。

 

3. コミュニケーションの効率化

ロジックツリーを使うことで、問題の構造をチームや関係者に分かりやすく説明することができます。視覚的なツールを使うことで、理解が深まり、議論がスムーズに進むことがあります。

 

4. 解決策への道筋を見つけやすくする

問題を深く掘り下げて整理することで、解決策を導きやすくなります。どの要因が最も影響を与えているかを特定することで、最も効果的な対策を考えることができます。

 

ロジックツリーの実際の使用例

 1. 売上低下の問題

売上が低下しているという課題に対して、ロジックツリーを使って原因を分析する場合を考えてみましょう。

最上部に「売上が低下している」という問題を置き、次に中間レベルで「マーケティング活動の不足」「顧客満足度の低下」「競合との差別化不足」などを挙げます。それぞれの要因について、さらに詳細に掘り下げていきます。このようにして、問題を多角的に分析し、最適な解決策を見つけることができます。

 

2. 生産性向上のための分析

会社の生産性を向上させるためにロジックツリーを使う場合、まず最上部に「生産性向上」を置きます。その下に「業務の効率化」「人材育成の強化」「技術の導入」などの要因を挙げ、さらに細分化します。これにより、どの要因に対して改善策を講じるべきかが明確になります。

 

まとめ

 ロジックツリーは、複雑な問題を見える化して整理し、ロジカルに分析するための有力なツールです。問題を細かく分解し、原因や要素を明らかにすることで、無駄なく解決策を見つけ出すことができます。ビジネスの現場だけでなく、個人的な問題解決にも役立つこのツールを活用すれば、自信をもって問題を解決できるようになるでしょう。ロジックツリーを習得し、論理的思考力を鍛えて行きましょう。

 

ロジカルシンキングの鍛え方」については別のページで紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

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